エンディングノートの書き方
3.資産(2)
もしもの時に備えて、資産を把握しましょう(2)
絵画や彫刻などの高額な美術品、さらに各種保険なども資産です。
また、借入金も「負」の資産。忘れないで書いておきます。
用意すると良いもの
-
金融機関の通帳
-
公共料金の引き落とし通知
-
契約書
-
保険証書
-
株券
-
各種会員権
-
権利書
-
保証書 など
p.20 - その他の資産について
可知 たとえば自宅にある絵画に資産価値があるかどうか、税理士さんはどうやって判断するんですか?
林 美術品の価値は、美術年鑑に載っている作者かどうかが主な基準となりますが、売却した場合に高値がつくかどうかです。
鈴木 ときどき「掃除に行った親族が持って行ってしまった」なんて話も聞きますから、分かる範囲で書いておくことをお奨めします。
p.21 - 借入金・ローンについて
林 これは契約書を残しておくことが大切です。それから、どうやって返済したかも分かるようにしておきましょう。特に個人間で貸し借りのある方は、この機会にきちんと契約書を作成しておく、あるいは精算しておくなどされた方がご家族の方も安心でしょう。
鈴木 一定期間を過ぎると借入金など負の財産が多かったとしても相続放棄ができなくなるので、大きな借入金がある人は忘れずに書いておいてください。
可知 相続放棄ができるのはどれくらいの期間なんですか?
鈴木 自分に相続権があることを知ってから3カ月。でも、亡くなった後は四十九日などもあり、3カ月なんてあっという間。残された方のために、大きな借金は絶対に書いておいてください。
p.22 - クレジットカード・電子マネーについて
鈴木 クレジットカードについては、もし財布ごと落としてしまった場合など、早急にカードを止めなくてはなりません。そんな時のために、カードの種類、番号、有効期限などは書いておいた方が良いと思います。
可知 でも本書には、不正使用を防ぐために有効期限も書かない方が良いと書いてありますね。
鈴木 確かに、情報をどこまで書いておくかは難しいところです。
林 暗証番号は絶対に書いたらダメですが、有効期限はご本人の責任で書くか書かないかを判断されるのが良いと思います。
p.24 - 保険について
林 大切なことなので何度も言います。亡くなった方の口座は凍結され、お金を動かせなくなります。下手をすると葬儀代も出せないということにもなりかねません。そこで、保険に入って死亡時に現金化できるように準備しておくことは大切です
。
鈴木 金融資産のところでも言いましたが、使っていない口座は解約し、その分を保険に充てると良いですね。
林 保険の受け取りの手続きは、凍結された口座を開くよりもはるかに簡単です。
鈴木 お札に名前を書けるのは保険だけ、と言いますからね。
林 保険については、遺産分割や相続税対策にも活用できますので、私たち税理士などの専門家に相談することをお奨めします。
可知 では、エンディングノートを書いたら見てもらうと良いですね。
林 そうですね。青葉会では保険も取り扱っていますので、お気軽にご相談ください。
p.26 - 年金について
鈴木 これは年金の通知を調べれば分かりますよね。
林 分からない時は、最寄りの日本年金機構に問い合わせていただく、あるいは社会保険労務士さんに相談されることをお奨めします。