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事実婚について

役所に正式に婚姻届を出さずに、いわゆる「事実婚」を選ぶ人が増加している。内閣府の調査によると、法律上の夫婦ではないが実態は夫婦共同生活をしている人は3%程。姓を変えたくない、入籍のメリットを感じられない、経済的な不安などが主な理由として挙げられている。法律上の家族となれば税制優遇や社会保障の対象になるが、事実婚の場合にはどうなるのか。


金融機関の対応は事実婚も法律婚もほぼ変わりなくなってきている。生命保険の受取人や自動車保険の本人・配偶者限定割引、夫婦二人で借りる住宅ローンのペアローンも事実婚のパートナーで認められる場合が多い。事実婚の証明として有効なのが、自治体発行の住民票で、役所の窓口で申請すれば続柄に「夫(又は妻)(未届)」と記載できる。もしくは、公正証書として事実婚の契約書を作成しても、事実婚の証明になる。


公的医療保険の場合も事実婚を法律婚と同様に扱ってもらえる。通常、社会保険では年収130万円未満の配偶者は、扶養に入ることが出来るが、事実婚でも法律で認められている。また、企業によっては家族手当などの福利厚生も対象になることがある。さらに、公的年金でも、事実婚のパートナーが亡くなった場合に遺族年金を受け取れるし、収入要件を満たせば第3号被保険者にもなれる。


その一方で、配偶者控除などの税制に関しては事実婚ではパートナーは対象にならない。さらに相続になると、事実婚のパートナーでは相続権も遺留分もない。相続に関しては、遺言書の作成や生命保険の受取人指定などの対策が必要だ。






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